ZOMBIEは、2013年から活動中のヴィジュアル系ロックバンドである。以前は「ぞんび」として活動していたが、2020年にギタリストのizunaが加入したことを機に、バンド名を「ZOMBIE(ローマ字表記)」に変更した。彼らは毒々しくポップな曲おかげで、日本の音楽シーンで今最もホットな現代バンドの一つである。ゾンビをテーマにしながらも、常に新しい黙示録的なシナリオを見出し、新鮮さを保っている。
本日紹介するイベントは、福岡公演に続き「虫ケラの晴れ舞台ツアー」の2カ所目。大阪のファンにとっては、初めて生で聴く「ウルトラムシケラボーイ」。 1月23日、日本では祝日の木曜日。ライブが行われるOSAKA RUIDO近くの市街地には、多くの人が散策していた。混雑しているにもかかわらず、ZOMBIEのパーカーやツアーTシャツを着たファンや、新規と思われるファンとも熱く語り合った。開場前から、ライブに来ているファンをすぐに見つけることができた。
中に入ると、ショーの開始を待つ間、私たちを楽しませるために、ゾンビらしいBGMを楽しむことができた。音量が上がり、「コンコン」とドアを叩く音が聞こえてきて、会場全体が震えた。ZOMBIEライブの印象的なイントロSEが流れ始め、ファンの拍手の中、ゆっくりと幕が開くと、すでにメンバー全員がポジションにつき、両腕でゾンビのポーズをとっているのが見えた。
1曲目の「ウルトラムシケラボーイ」で、すでにゾンビウイルスに感染していた参加者たち。ゾンビ地獄を思わせる赤の濃淡な照明デザインで、大阪にやってきた私たちを迎えてくれたメンバーは、すぐに観客と心を通わせた。 各メンバーは、ステージ上でかなりはっきりとした個性を発揮していた。彼らの放つエナジーは凄まじいものだったが、これはほんの始まりに過ぎなかった。
今回のライブでは、幸運にも「ウルトラムシケラボーイ」を2回楽しむことができた。新曲ということもあり、フリを知らないファンも多かったので、ヘッドバンギングだけでも十分だと奏多は言っていた。
ライブのスタートは、爆発的なパワーだった。izunaはギターで歌に彩りを与え、ミドリはベースと深いバッキングボーカルで観客を魅了する。まるでハロウィンのアトラクションのようにファンを楽しませた。私たちは早くもZOMBIEの音楽に食いついた。
2曲目は「100%死んでる」を披露。多くの人に愛されているこの曲を、ライブの冒頭で聴くことができたのは誰も予想せず、大きな拍手が送られた。各楽器の攻撃的な組み合わせと、奏多の歌声が絶妙なバランスを保ち観客がリズミカルにヘッドバンギングを始めるほど。
ZOMBIEのライブの個性は、ステージ上でゾンビのキャラクターを崩さないこと。本当に不気味な体験ができるのだ。 ゾンビに感染した私たちは、一瞬たりともフリと踊りを止めることができなかった。
「腐り姫」のベースイントロでは、「サク」(両手を広げて上げること)で応えるファン。曲中は常に様々なフリがあって飽きさせない。 バラード「にわか雨」ではクールなメロディが会場を包み込んだ。感動的な演奏の間、ファンはずっと動かずにいた。
「墓場deラヴソング」ではトランス状態になり、明るい照明と相まってしばらくゾンビのような感覚に陥った。
バラード、ミディアムと続いた後、「交響曲第9番「真夜中の第二音楽室」で再び動き出す。
この瞬間、主人公となったドラムのREIKAのおかげでライブの最も恍惚としたシーンのひとつがここで起こった。
一方、izunaは未来の獲物を指差してゾンビを増やし、ミドリはどんどん近づいてきて、ステージから手を出そうとする。
ピアノとZOMBIEのロックなリズムが相まって、OSAKA RUIDOは荘厳な雰囲気に包まれた。
もう一つのハイライトは「気絶ダンシングガール」で、この曲の歌詞に合わせたダンスの振り付けが、さまざまな擬音語とともに非常に特殊なフリになっている。
この曲の最後には、全員が地面に倒れて気絶するふりをした。
この「気絶」は、曲のタイトルやテーマにちなんだもので、「気絶」は日本語で 「気を失う」という意味。
ファンだけでなく、バンドも地面に倒れ、「肉食バクテリアン」で立ち上がれというバンドの号令を待ちながら、みんながひとつになるのは楽しいものだ。この特徴的な2曲をダンスで一体化することをやってのけた。
ZOMBIEがセットリストの順番にもこだわるバンドであることがよくわかる体験だった。
「だいっきらい東京」(タイトルは「東京が嫌い」という意味なので笑えた)、「クソったれが」などで畳みかけ最高のフィナーレを迎えることができた。
ライブの第1部が終わると、ファン全員が拍手を始めるのが普通のはずだが、このツアーでは、ファンへのサプライズがあった。ツアーの各都市で、ZOMBIEはアンコール前の数分間、会場に来たファンが見ることのできる限定映像を放送したのだ。
今回は「ブラインド熱々おでん」に挑戦し、メンバーの一人が着席し、もう一人が黒いマントをかぶって後ろに立っている。手だけを使って、相手に食べさせるというゲームだ。スプーンを最も上手に扱ったペアが勝者となり、敗者はそのライブのステージで罰ゲームを受けることになる。REIKAとミドリは最強コンビだったが、奏多とizunaは罰ゲームを受けたくないので、REIKAが代わりに罰ゲームを受けるように頼んだ。
その夜、サッカー日本代表がワールドカップでドイツと対戦することになっていたからか、「罰ゲーム」として日本の国歌である「君が代」を歌うことになると、ゾンビのTシャツを着たREIKAが先に出てきました。
アカペラで一生懸命に歌う姿が微笑ましく、ファンも笑顔になる。
しかし、奏多が「音程がおかしい」とツッコミを入れ、ミドリはアカペラで歌おうとしたが、デスメタルボイスで歌ってしまい、参加者全員の笑いを誘った。ミドリは歌いながら笑わずにはいられず、みんなを楽しませた。
アンコールで際立っていたのは、パーカーの下にヒョウ柄のシャツを着た、大阪のファンが喜びそうな衣装を着た奏多。
ZOMBIEのメンバーでリラックスしてトークした後、いよいよ本番。今日2度目の「ウルトラムシケラボーイ」でサプライズ!
一瞬で0から100になったので、早くもウォーミングアップになった。衣装でないカジュアルな服装でも存在感を放っていた。
REIKAは、曲によって特徴的なタッチがある。「アブノーマル•セラピー」のように、REIKAが 「ここぞ 」というときに見せるパフォーマンスは、”REIKA MANIA “と呼ばれるファンに刺激を与えている。
サビの部分で、REIKAはドラムスティックで客席の誰かを指す。この時、ファンは手でハートを作り、くるくる回りながら踊る。
そして、この日グランドフィナーレを迎えたのは「ウィーアーゾンビ!!」。バンドの代表曲のひとつだ。ゾンビの感染で超人的な力を得たのだろう、バンドもファンを疲れ知らずだ。izunaがギターを熱演したため、REIKAは片手だけでドラムを叩き、リズムに合わせて片手ではエアギターを演奏していた。
この不気味なメロディーは、その日OSAKA RUIDOのゾンビ遊園地を閉めるために、私たちを生き返らせる役割を担っていたのだろう。
ZOMBIEの最新リリースをYouTubeで要チェック!
・カメラマン:ファビオ、ZOMBIEスタッフ
・翻訳:石田七緒