【ライブレポート】NETH PRIERE CAIN 「終末聖戦-Harmagedōn-大阪編」(アメリカ村 Beyond)

名古屋を拠点に活動するヴィジュアル系バンド、NETH PRIERE CAIN。2018年8月に結成され、ダブルリバーレコードのもとで姉妹バンドであるi.D.Aと共にデビューしました。
NPCは、聖書に登場するカインとアベルの物語をコンセプトに掲げ、青を象徴するバンドとして活動しています。一方でi.D.Aは赤を象徴し、両者が共に独自の音楽性で補完し合う存在として注目されています。両バンドはデビューシングル「神話双星記」を同時リリースし、それぞれのカラーを反映させた楽曲でファンを魅了しました。

NETH PRIERE CAINの世界観は、聖書的要素や宗教的な象徴、そして耽美的な美学を融合させた壮大な物語を軸に展開しています。その独創的なスタイルで、Zeke Deuxやジグソウ、DazzlingBADといった名だたるバンドとの共演を果たし、伝統的なヴィジュアル系ファンのみならず、若い世代のファン層も獲得してきました。

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2022年11月4日、大阪・アメリカ村BEYONDで開催された「終末聖戦-Harmagedōn-大阪編-」は、彼らの四周年を記念した無料単独公演ツアーの一環でした。このツアーは5大都市で開催され、観客に彼らの音楽を無料で届けることで、より多くの人々にその魅力を知ってもらうことを目的としていました。
当日の会場には、熱心なファンだけでなく、友人に誘われて初めてNPCのライブに足を運ぶ新規の観客の姿も多く見られました。アメリカ村BEYONDの親密な雰囲気の中、観客たちは開演を心待ちにしていました。
午後6時、場内が暗転し、荘厳なメロディが流れ始めると、会場全体が高揚感に包まれました。

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幕が上がると、メンバーがそれぞれのポジションに立っている姿が現れます。ボーカルの
が放つ圧倒的な存在感は観客の視線を一気に引き付け、千草のベースと珠璃のギターが未だ音を奏でていない段階からも、その優雅で力強いオーラを放っていました。ドラムの剣路がリズムを刻み始め、緊張感が一層高まります。

ライブの幕開けを飾ったのは、「RAGNAROK -終末の誓い-」。初っ端からエネルギー全開のパフォーマンスで、観客を圧倒しました。楽曲ごとに変化するリズムに合わせたライティングは、曲の持つドラマ性をさらに際立たせました。

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中でも、「
AVALON~約束の地を求めて~」は、まるで荘厳なヨーロッパの城を思わせるような壮大でロマンティックな雰囲気を醸し出し、観客を異世界へと誘いました。
曲のクライマックスでは、観客全員が「祈り」のポーズを取り、バンドと一体化する瞬間が生まれました。この演出が示すように、NPCのライブは単なる音楽パフォーマンスを超えた、没入型の体験でした。

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ライブは終始熱気に包まれて進行。
Nemesis -裁きのシ者」では、観客が激しいヘドバンで応え、会場全体が一体となる狂熱のシーンが展開。

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対照的に、「Les Miserables〜最後の晩餐」のようなメロディアスな楽曲では、静謐な空気が漂い、観客はその深い音楽性に浸ることができました。
そして、最新シングル「Solomon -支配者ノ鍵-」が披露されると、会場のボルテージは最高潮に達しました。


千草の低音が響き渡り、珠璃の技巧的で感情豊かなギターソロが観客を魅了する中、剣路がリズムを正確に刻み続け、観客をさらなる高みに引き上げました。

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ライブのクライマックス、新曲の披露を迎えると、樹が感謝の気持ちを込めて観客に呼びかけた。
「大阪、ありがとう!」
この夜、全力を尽くしたファンへ称賛を贈るその声には、熱い想いが込められていた。
そして、ステージを後にする前に次のツアー日程を発表。
その瞬間、拳司が放った渾身の一撃が響き渡ると、フロアのファンたちは再び祈りのポーズを掲げ、余韻の中に包まれていった。

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バンドとオーディエンスの絆は最高潮に達し、ゆっくりと幕が下りていく——。
しかし、夜はまだ終わらない。
「アンコール!」の声が会場を埋め尽くし、手拍子が響く中、緊迫感のあるSEが流れ始めた。

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一人、また一人とNPCのメンバーがステージへ戻ってくる。
最初に姿を現したのは千草、続いて珠璃、そして剣路。
最後に登場したのは樹——その姿が照明に浮かび上がると、会場は拍手と歓声に包まれた。

アンコールでは、秋にふさわしい温かみのある「Pandora -悲蜜-」から始まり、タオルを振り回す楽しい演出の「ホオズキ」、そして最後に披露された「アサガオ」で締めくくられました。

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この楽曲では、壁が震えるほどの迫力ある演奏が繰り広げられ、珠璃が最後に数秒間ギターを奏で続けるユーモラスな演出で観客の笑顔を引き出しました。
ライブ終了後、ファンは物販コーナーに急ぎ、チェキや限定グッズを手に入れ、この特別な夜の思い出を持ち帰りました。

NETH PRIERE CAINは、音楽的才能だけでなく、その独創的な世界観と観客との強い絆を改めて証明しました。

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無料ツアーという挑戦的な取り組みは大成功を収め、多くの新たなファンを魅了する結果となりました。彼らの未来は、楽曲に込められた物語のように、ますます輝かしいものになることでしょう。

ぜひ、最新シングル「オルレアンの少女~la Pucelle d’Orleans~」もチェックしてください!