DAMNED マドリード公演:ヴィジュアル系がSala Silikonaに上陸
Europe Tour 2025 JUKAI(マドリード・Sala Silikona)
2025年11月30日
DAMNEDは、ここ数年で日本の新世代メタルシーンを語るうえで欠かせない存在となった。
2022年に東京で結成され、metalcore、industrial、post-hardcoreを融合させたサウンドを展開。“loudcore”と名付けられたその音は、ダークで演劇的な世界観と強く結びついている。

ステージに立った瞬間、空気が変わる。
メイク、衣装、照明、そして圧倒的なエネルギー。そのすべてが重なり合い、ただのコンサートではなく、ひとつの“体験”へと変わっていく。
この緻密な美学と音のカオスを武器に、DAMNEDはヨーロッパへと上陸した。
20時20分、入場SEが鳴り響く。
待ち続けていた瞬間が、ついに動き出した。

最初に姿を現したのはMASAYA。
続いてSakuraが登場した瞬間、フロアから歓声が一気に噴き上がる。
無数のスマートフォンの光と照明に包まれながら、ステージへと歩いていくその姿は、まるでレッドカーペットのようだった。
Suicaが軽く手を振りポジションへ。
そしてHitoneがセンターに立った瞬間、「SET ME FIRE」のイントロが鳴り響く。
その一音目で、Sala Silikonaは完全に掴まれた。ジャンプ、ヘドバン、そして迷いなくすべてを預ける観客。
KouとSakuraが前へ出た瞬間、フロア全体が一歩前に詰める。合図なんていらない。
全員が同じものを見ていた。ブレイクダウンではギターが入れ替わるように動き、その精度に一切のブレはない。
ラストは「WE ARE DAMNED」。拳が一斉に天井へ突き上がった。

「Shadows」では、リリカルでよりヴィジュアル色の強い一面を見せる。
すでに熱を帯びたフロアは、その流れに自然と溶け込んでいった。
「Revenir」でHitoneが叫ぶ。
「HOLA, MAKE SOME NOISE!」
その一言で空気が爆発する。
拍手はどんどん大きくなり、音をかき消しそうなほどだった。
ふと目に入ったのは、小さな女の子。
目を大きく開けてステージを見つめている。
音楽に、年齢は関係ない。
「ShoKu -蝕-」で空気が一変する。
この一曲が、前半の流れを決定づけた。Cazquiとのコラボで生まれたこの楽曲。
ヨーロッパのファンが抱いていた期待に、真正面から応えていく。全力で応え続ける観客。 中盤のギターソロで、ようやく一瞬の呼吸が生まれる。それは、熱の中に差し込むやわらかい風のようだった。
曲が終わると、Hitoneが問いかける。「ARE YOU READY?」
SakuraがそのままMCを引き継ぐ。
パエリアの話、スペインの食事が好きだという話で、会場に笑いが広がる。
「¡TORTILLA DE PATATAS!」と、スペインの定番料理であるポテトオムレツの名前が客席から飛ぶと、照れながらそれを繰り返そうとする姿も印象的だった。

「Fla:ill」では、激しさと静けさが自然に交差する。
その瞬間を逃したくないというように、多くの観客がスマートフォンを掲げていた。
「Poada」では空気が一度ほどける。
アカペラから始まり、手拍子がフロアに広がっていく。この夜、唯一の“休息”だった。

中間SEを挟み、「Thanatosis」「VELTRO」で再び引き締まる空気。赤い照明に染まるフロア。 まるで別の世界に足を踏み入れたかのような感覚。
MASAYAのドラムはより攻撃的に、よりハードコアへと近づいていく。
この時点で、ただのライブではないことは誰もが感じていた。
そして、この夜最も待たれていた一曲。
「醉狂と交わる強迫的価値観」。イントロが鳴った瞬間、フロアが揃う。
誰かが指示したわけでもない。自然と、全員が同じリズムでヘドバンを始めていた。
真上からの光がメンバーを包み込み、どこか神秘的な空気を作り出す。
その姿は、まるで夜の中に立つ存在のようだった。約6分。
Hitoneは「gracias, Madrid」(ありがとう、マドリード)と静かに締めくくる。
その余韻に、誰もが満たされていた。「毒愛」では、この日のハイライトが生まれる。
Kouがフロアへダイブ。 戻るとそのままSuicaと並び、ギターを重ねるように演奏する。
あの時代のヴィジュアル系を思い出させる光景。
フロアの熱も、この瞬間がピークだった。
「Beauveria」で本編はラストへ。
「LAST SONG! THANKS FOR COMING!」

Sakuraは少し落ち着いた表情で、感謝を伝える。
ずっとヨーロッパに立ちたかった、その想いも。アンコール。
「ArtrA」「ANHEDONIA」で再び一体感が生まれる。
腕を上げ、音に身を委ねるフロア。
「Yani」では、現在の編成だからこそ生まれる重みと安定感が伝わってくる。
「STAIN」は拍手の中、静かに始まる。
電子音とグロウルが重なり、再び空気を引き寄せる。

そしてラスト、「Grimnir」。
王道の展開の中に、どこかクラシカルなニュアンス。
その余韻が、この夜の締めくくりとして完璧だった。
最後にメンバーが呼びかける。
観客との記念写真。

シンプルな瞬間。
でも、この夜を刻むには十分すぎた。
この公演は、再会の場だった。
そして、新しい始まりでもあった。
スペインのヴィジュアル系シーンに、確かな動きが生まれている。
DAMNEDはこれからも進み続ける。
そしてマドリードは、すでに次を待っている。

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SET LIST Europe Tour 2025 JUKAI (Madrid, Sala Silikona)
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◆ OP SE(入場)
01. SET ME FIRE
– 煽り –
02. Shadows
03. Revenir
04. ShoKu -蝕-
– 煽り –
05. Fla:ill
06. Poada
◆ 中間SE
07. Thanatosis
08. VELTRO
09. 酔狂と交わる強迫的価値観
◆ MC
10. Datura
11. DAEDRA(SEあり)
12. 毒愛
– 煽り –
13. Beauveria
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ENCORE
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◆ MC(全員喋る)
14. ArtrA
15. ANHEDONIA
16. ヤニ
17. STAIN
– 煽り –
18. Grimnir
◆ END SE
