↓-PART 1-↓
午後六時十分、幕が開きNICOLASの面々は既に配置についていた。
その日の衣装に選ばれたのはゴシップの「嗚呼、厨二学生。」のPVを彷彿とさせる学ランだった。
最初に目を惹かれたのは腕に包帯を巻き、本ツアー(ヤミトオニ)を象徴するかの様に顔に鬼と書かれたSAKU (Vo.) だった。更に、AKANEは心斎橋VARONの九周年 (2021) 記念Tシャツを身に付けていた。
今年もやっちまいました!!VARON 9TH ANNIVERSARYとゆうことで、今回もパロらせてもらいました!【9】ってことはこれしかないでしょう👍
VARON店頭販売のみで、8月2日(月)から販売開始いたします!いや〜間違いなくイケてるこれは。
ヨシオさん(@YOSHIO_BALL_RUN )毎度お世話になります👏 pic.twitter.com/tDp4VXuWWg— 心斎橋 VARON (@LIVEHOUSE_VARON) July 24, 2021
前置きも無く、NICOLASの代表曲「天上天下唯我独唱」で演奏が始まった。
ヤミテラの出番の時の様に、最初に会場を沸かせたのはZERO (Ba.) とそのカリスマ的なベースの演奏テクニックだった。
ファン達は曲に倣って何度も手を空に掲げていた。「狭震症」のイントロが流れている間、SAKUは心臓に痛みがあるかの様な素振りを見せていた。
曲中、SAKUはハイトーンで歌い続ける為に語りを挟んだ。曲があまりにも激しかったのでAKANE (Gt.)とZEROもコーラス、ディープボイスでマイクを取っていた。
SAKUとZEROの勢いはもう誰にも止められなかった。ヘッドバンキングの間、二人は競うように顔を突き合わせていた。「面会謝絶」が始まる前、SAKUはみんなに大丈夫か尋ねた。
王道ビジュアル系のファンにとってこの曲のリズムは堪らなく素晴らしいものだった。本当に、何年か前にタイムスリップした様だった…SATSUKI (Gt.) がギターソロで更に場を沸かせ、我々を現実に引き戻した。
しかし、SAKUが深呼吸した事によって再び緊張が高まった。まるで生き延びる為に戦っているかの様に動き回ったので包帯が取れつつあった。
今回のライブで最も驚かされた瞬間の一つが「バカアホマヌケ万歳!!」の曲中であった。
SAKUは曲が始まるとすぐ、曲名にある様に観客の事を“バカアホマヌケ”と呼び始め最後に“万歳!!”と締め括った。
J-ROCK調のリズムだったので、今回は誰も迷う事なく振りを踊っていた。
しかし、突然観客が振りの一環でステージのNICOLASに背を向けた。
我々NIPPONGAKUリポーターは言葉を失った。この様な光景を目にするのはこれが初めてだったからだ。
この様な事からゴシップ(NICOLAS)はビジュアル系の中でも別格な存在になっているのだろう!
殺人を題材にした「誰かさんが殺んだ。」の歌詞で雰囲気がガラッと変わった。
AKANEとSATSUKIのギターの音色が聞く者をホラー映画の世界へと誘った。ここで改めてファンとバンドの掛け合いがあったのには驚かされた。SAKUが振り返る度に誰か動いている者がいないか見張っていた…そう、まるでだるまさんがころんだをしている様に。
それから一度演奏は止まり、NICOLASのメンバー同士で話し始めた。
SAKUが、この日一番楽しんでいるのは間違えなくSATSUKIだと断言した。するとSATSUKI自身が歌い始め、疑惑が確信に変わり、再び演奏が始まった。
SAKUの凄まじいシャウトで曲が終わり、我々は衝撃で固まった。
新型コロナウィルス感染症対策の一環で、ライブ中話したり叫んだりする事が出来無いので、ファン達は曲の合間にバンドとの意思疎通を図る為に音のなる鶏のオモチャを用いていた。
MCの最中、前日のライブもとても楽しいものだったので、この日は更に素晴らしい一日になるに違い無いと言っていた。
その後も全力でライブに臨む為、暑さと疲れを吹き飛ばす為に皆上着を脱いだ。
「木漏れ日」の曲入りで照明が紫色に変わった。
NICOLASが演奏するバラードに皆心打たれていた。ファン達は静かに曲に聞き入っており、その間心斎橋VARON中をミラーボールに反射した照明が飛び交っていた。
歌詞はどこか悲しげなものだったが、SAKUはまるで我々の中の悪い物を浄化していくかの様に客席にいる一人一人の顔をしっかり見ながら歌っていた。
一方で、RITSUも感情を込めてドラムを叩き、パワーを送っている様だった。ここで遂にNICOLASの曲を聞く時がやって来た。これ以降セットリストは「廃論破」でゴシップの楽曲から一旦現在の彼らの楽曲になるのだが、その前にメンバー一人一人の紹介があった。
SATSUKI、ZERO、AKANE、そしてRITSUの順で、最後にSAKU自らがNICOLASの代表であると紹介する間、絶え間無い拍手が送られた。
曲中ZEROはあまりにも楽しかったのか、膝を突き、ずっと微笑みながら演奏していた。
ホールはまるで祭りであるかの様な盛り上がりを見せていた。「クビチョンパ」でバンドは再びNICOLASからゴシップへと変わった。
先程述べた様に、NICOLAS/ゴシップは日本でも有数のファンとの振りの掛け合いが多いバンドだ。予想した通り、SAKUが自らの首を刎ねる動作をした時ファン達は熱狂した。
この曲はコールアンドレスポンスを多分に含んでいたので、客席から歌や声で演奏に応えられないのは非常に残念だった。
VARON中が「とあるアイドルオタクの異常な愛情」のリズムに身を委ねて踊っていた。
どうやらこの曲がファン達にとって一番楽しい物であったようだ。モッシュまで起こっていた!(メタルファンの皆さんはご心配無く。メタル流のモッシュではなくビジュアル系流のモッシュだったので (笑) )
照明がRITSUに集中し、それによって彼のドラムは更に加速して行った。客席からは疲れ知らずに見えた。
『君があの世に・・・』のイントロはなんと我らが日本国歌「君が代」だ。
間違えなくこの曲が一番日本らしく、伝統音楽からの影響を受けている物だった。ファン達もNICOLASのロゴ入り扇子を取り出しリズムに合わせて踊っていた。
SAKUは次の「卍」が最後の曲になると告げた!バンドと観客が一緒になって跳び始めた!
みんなでエネルギーを共有しているからか、全員生まれ変わった様に活気を取り戻した。
最後のヘッドバンキングの直前、SAKUが「ありがとう!」と叫び、全員がRITSUのドラムの最後の一打まで跳び続けた。
NICOLASがステージを後にした。
ライブ終了後、皆が鶏のオモチャを取り出して鳴らし、アンコールを要求した。
数分後、SAKUが先程とは違う装いで現れた。サングラスとグッズのジャージを身に付けていた。ここ数日は最高だったと言う。
更に、ヤミテラのファンに時々失礼な態度をとっているかも知れないと謝罪した。何故ならNICOLASはファンに昔からの友達の様に親しみを込めた態度で接するからだ。
先程のNICOLASについての話の続きで、彼らは自らをフランチャイズであると思っているのでゴシップ時代の曲を演奏する事にしたと冗談を飛ばした。SAKUのMCはRiNa(ヤミテラ)の乱入によって中断された。
NICOLASは彼を歓迎し、アンコール前の様にバンドの一員として紹介した。
数分後、湊叶とじゅんじゅんもステージに姿を表した。
「ミユキ」の曲中もヤミテラ、NICOLAS両バンドのメンバーが続々と登場した。
ステージに両バンドのメンバー全員が揃いパンパンになったところで、ゴシップの「錯乱-SAKURAN-」を一緒に演奏して心斎橋VARONに別れを告げようと言う事になった。両バンドのあまりの仲の良さに、観客が見ている前ではあるがライブの打ち上げが行われている様な和やかな雰囲気が漂っていた。
SAKUとRiNaが曲の間ハモろうとしている様子が特に愉快だった。この日は思い出に残る日になったので、演者観客全員で記念撮影する事になった。
その後、会場中が照明で照らし出されるが、幕が閉じる前にSAKUからヤミテラに向けた言葉があるとのことで、「諦める事は簡単だ。本当に難しいのは諦めずに戦い続けることだ。」とヤミテラがライブ冒頭で述べた事に関連付けてこれを贈った。
この言葉によりファンを含めた全員の顔に希望に満ちた微笑みが宿っていた。
画面を閉じる前に、NICOLASの新作ミニアルバム収録曲「エログロ」をぜひ下のリンクから視聴して行って欲しい!
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来週彼等とのインタビューを予定しています。
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