梟は2022年1月、初のワンマンライブツアー「夜回り#1」をスタート。
名古屋、大阪、東京の3都市で開催。
私たちは、2020年に突如DADAROMAの活動休止を発表した、Yoshiatsuの新たな音楽プロジェクトについて発掘していく。
(注:これは彼が以前に所属していたバンドとは無関係であり、現在梟のメンバーとして活動する彼の今に密着したプロジェクトである。)
彼らの音楽ジャンルは、スタンダードなヴィジュアル系とはまた違った独特なジャンルで、ネット上では「アート系」というタグ付けをしている人もいる。
また、彼らの作曲で注目すべきは、ギター演奏がほとんどないことだ。
実際にライブでもYoshiatsuが歌いながらギターを弾くことはほとんど見受けられない。これはまさに型破りでユニークだ。2022年1月某日、大阪心斎橋にあるVARONで行われたデビューイベントに訪れる機会があり参戦。バンド初のツアーにもかかわらず、会場は大盛況だった。
至る所でファン同士の交流が行われ、開演までの時間を楽しんでいた。今回のツアーでは、ほとんどの参加者が梟のロゴが入ったツアーグッズを身につけていた。
会場に入り後方から観客席を見渡すと、まるで「梟の森」(1stミニアルバムのタイトル)の中にいるような感覚だった。驚くことに、昨今のコロナ禍にもかかわらず外国人参加者もいた。
この日メンバーは、ツアープロモーションの写真とは違った、よりダークな色合いで、エレガンスなヴィンテージ衣装を纏い登場。
これはますます未発表の新曲の詳細が気になることでしょう。このライブレポートを見て、彼らの魅力をぜひ肌で感じてみてください!ライブ会場の奥から梟の鳴き声が響く。幕が開けるとバンド全員がすでに壇上に。
Daisukeのピアノソロで始まった「いつかは死んでしまう僕らは」。1分ほど続くイントロの後はYoshiatsuの歌声が会場内に響く。
しばらくしてYutaraがベースで参加し、照明が一気に照らされる。
Yoshiatsuは歌いながら自らを抱きしめていた。梟を守る姿のようにも見え、次第と胸が熱くなった。
彼らの完璧な楽器演奏は経験豊富なまさに ”プロフェッショナル” であることがよくわかる。1曲目の終わりが近づき会場は徐々に暗転、最後は後方に照らされたライトで締めくくられた。
一瞬の静寂の中、「梟の樹」のナチュラルなリズムが、再び私たちを森に導く。
映し出されたライトも森の中を連想させるよう素晴らしいものだった。
今回ドラムのLottoは、スポットライトを浴びる場面がとても多かったように感じる。その演奏は、まるで戦争に向かう軍隊の行進曲のようで、曲の終わりには平和の訪れを連想させるように、強弱がつけられた。
YutaraのベースとLottoのドラムで盛り上がる90年代を思わせる「NEO TOKYO」。観客も手拍子で応援する参加型の1曲だ。
この公演の序盤、Yoshiatsuは「大阪!一緒に盛り上がっていきましょう!」と会場を沸かせたのが印象的だった。そしてすぐにベースの音が消え、ピアノとドラムのメランコリックなタッチで進行する「カデンツァ」。リズムに合わせて官能的にシャツを翻すYoshiatsuの声に包まれる。
MCが始まり、DaisukeとYoshiatsuは前日の名古屋公演に足を運んでくれた参加者、また、今回のツアーに協力してくれたスタッフへの感謝の気持ちを述べた。 また、Yutaraもファンへの感謝の気持ちを伝え、Lottoは、大阪での暮らしぶりや、過去に訪れたライブハウスなどを紹介した。
MCが終わり、今回のセットリストの中で最も深いバラードである「神様はいないから」を披露。ファンから盛大な拍手が送られた。
アンビエントなバラードから一転、「サヨナラだけじゃ」では、ブルーを基調とした照明が照らされ、しっとりとした曲調によって時が止まったような感覚に。
「ビニール・チルドレン」で会場の雰囲気がさらに高まり、そのエレクトロニックなサウンドは、神秘的な空間に包まれ、まさに彼らにしか表現できない曲だと感じる。またこの曲では、レトロなディスコの曲をバックに、マイクのエコー効果が優しくミックスされている。そして曲は「卑怯者のロマンス」に移り、雰囲気が180度変わった。この曲は、バラード曲にもかかわらず、まるでパーティーサウンドのようで、Yoshiatsuのスクラッチボイスが他の楽器とうまく調和し引き立たせる。
力強く演奏するメンバーが目に写り、新型コロナウイルスの影響で観客は声を出せない中、Yoshiatsuはオーディエンスの心に訴えかけるようにコールアンドレスポンスを行っていた。
Yoshiatsuがギターのセッティングをしている間、Daisukeは今ツアーのグッズ販売で購入したファンに対し、「無くさず持ち帰る為にトートバッグも一緒に買うことをお勧めします」と笑いを誘った。
【物販情報】
— 梟 OFFICIAL (@FUKURO_OFFICIAL) January 15, 2022
※先行物販時間※
16:00〜17:00
・先行物販にて当日チェキも購入可能、お渡しは終演後となります
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またこのMCの後、DaisukeはYoshiatsuに、昨夜寝ている間にどんな夢を見ていたかの冗談話を始める。
その夢の中でYoshiatsuが自分の新しいグッズとしてDaisukeに見せてきたのがなぜか、人気マンガのキャラ「ワンパンマン」のメインキャラだったという話で二人は大爆笑。
プロモーションビデオと共にYouTubeで公開した最後の曲「接吻」で再び登場。このライブで初めてギターの演奏がされた。Yoshiatsuはエネルギッシュにギターを弾き始めると同時に、幅広い音域の歌声で観客を魅了する。
この曲は、彼らのレパートリーの中でも、ジャジーなスタイルとファンキーなスタイルが調和し最も興味深いものであった。
スラップとワウペダルの組み合わせは、昭和の雰囲気を想起させながらも2022年にぴったりだ。
一度演奏を中断し、Lottoがキャッチーなドラムのメロディーを奏で始めると、観客も一緒になって手拍子をし始める。Yoshiatsuはタンバリンをステージに持ち込み、少し弾いた後、最前列のファンにもタンバリンを差し出し参加。
続いて、力強くカラフルなリズムの「バケモノの私には」。Yoshiatsuは、フラメンコのポーズで手を叩きながら、まだまだ全開のようだ。やがて曲はロック調になり、最後は珍しいサーカス調の音楽で締めくくられた。
続く「ソシオパス」ではYoshiatsuの歌声に合わせ、ステージ全体に照らされたライトは強さと逞しさを感じさせる。再びギターを手にしたYoshiatsuは、次に演奏する曲について話してくれた。まだ正式な曲名も決まっておらず、リハーサルもほとんどしていないそうだ。この曲がどんなスタイルなのか、これからどんなスタイルになるのか、彼ら自身にもわからないという。純粋な実験であり、途中経過を楽しむものだとか。
曲が始まると、Yoshiatsuスポットライトが当たる。梟の繊細な一面が垣間見える曲だ。いよいよアンコールに入る。観客は声を出すことができず、手拍子のみ。バンドはグッズのTシャツとパーカーに着替え、ステージに戻ってきた。大阪、名古屋と同じ顔ぶれで東京ファイナルに臨みたいと語っていた。
アグレッシブなギターリフがステージを揺らし、「愚か」はこの日のセットリスト全体とはまた違った雰囲気で幕を開けた。Lottoはドラムを激しく打ち鳴らし、グランジのようなリズムを刻む。
Yutaraは素晴らしいソロベースを奏で、Lottoはまだまだエネルギッシュにドラムソロを披露。それに誘われるようにYutaraも演奏する。
このユニークなライブの最後を飾るのは、「人間じゃない」。
ステージの照明の色が一気に変わったのは、CDがすでに完成していることを意味するのだろうか。この曲は、ピアノの演奏が一番少ない曲だった。スウィングディスコパーティーのように、YoshiatsuとYutaraが笑顔で踊りだす。この爽やかな演奏を最後に、バンドは「またね!」と言いながらステージを後にした。
初の単独ライブでありながら見事成功を収めた彼ら。今後の活動がますます期待できるプロジェクトであった。
(翻訳:石田七緒)
DADAROMA元メンバーYoshiatsuを追った新プロジェクト「梟」の初インタビュー!
DADAROMA元メンバーYoshiatsuを追った新プロジェクト「梟」の初インタビュー!
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