舞台を変えるとしよう!名古屋でのfiveStars15周年イベントの雰囲気があまりにも良かったので、東京のファイナルまで追うことにした。
首都東京で「fiveStars 10th ANNIVERSARY LIVE. 『A LIVE』」の会場に選ばれたのはSpotify O-EAST(以前は渋谷O-EASTとして関東を中心としたV系のファンの間で広く知られていた)だ。
fiveStars、 名古屋ダイアモンドホールは共に名古屋でのビジュアル系、Jロックカルチャーの発信地となっている。
ありとあらゆる種類のグッズや音源が販売されており、インストアイベントも度々行われている。
5月以降に投稿した記事の中で毎回「とても暑い日だった」と述べられているが、今回はそれまでとは比にならなかった…。40度にも達しようかと言う気温に加え、肌にまとわりつく様にジメジメした暑さだった!
だが、そんな事はライブ開始数時間前から当イベント限定の特典付きグッズを購入する為にせめぎ合っていたファン達には無関係だった。
この日トップバッターを勤めたのはベテランオルタナティブロックバンド、DaizyStripperだった。
2007年中頃のバンド結成から今も変わる事なく日本のV系シーンの中で存在感を放ち続けている。
彼らが国際的な知名度を獲得するまでそう長くかからなかった。デビュー1年後にはアメリカのボルチモアにて開催されたオタク・コンベンションで海外初進出を果たし、更にその数年後の2012年にパリで開催されたジャパンエキスポへの出演も成し遂げた。ポップな要素からよりロックでハードな要素に至るまで彼ら独自の音楽的、美術的スタイルはデビューからの長い年月を経て変化してきた。しかしこのバンドならではの明るさはずっと健在だ。
彼らの明るいキャラクターに関してより詳しく話すと、なんとバンド名自体にもポジティブな意味が込められているのだと言う。「Daizy」は幼い少女の純粋無垢さを表し、「Stripper」はそこからも推察できる様に大人っぽさを指している。
この2つの単語の組み合わせが反映するのは、いつまで経っても童心を忘れずに夢を追い続ける事は何も悪くないと言うメッセージなのである。午後4時15分にはSpotify O-EASTの扉が開放され、思い思いのバンドTシャツを着たファン達が入場し始めた。1番目を惹いたのはバンドのロゴが入ったTシャツと「ピンゴキ」を身に付けた生憎の雨のファン達であったが、ザアザアの「一葵推し」と書かれたTシャツや、DaizyStripperや他のバンドのTシャツを着たファンも大勢いた。
会場に入って行くと、もう既にその日披露される予定の曲が流れており、ファン達の興奮は更に増し、その後のライブ中に振りを間違えない様予習の為に踊る者もいた。
— 名古屋fiveStars ファイブスター (@fivestars_shop) June 28, 2022
午後5時、BGMの音量が急激に上がり、一瞬の沈黙を挟んだ後民族音楽のような電子音が流れ始めた。
幕が開き、照明がまるで我々を撮影しているカメラのフラッシュの様に点滅していた。
唯一視認出来たのは、舞台中央に掲げられたfiveStarsのポスターとその下にある風弥のドラムセットだけだった。
音楽の合間を縫って突然「DaizyStripper」という呟きが聞こえ、バンドの面々が客席からの熱烈な拍手と共にステージに登場した。
DaizyStripperメンバーが位置につき何よりも最初に行ったのは観客への挨拶だった。
まだライブは始まっていなかったが、メンバーの顔には笑顔が宿っていた。fiveStars10周年記念イベント渋谷編は彼らの人気曲『色彩ヴィヴィッド』でスタートした。
夕霧の歌声はSpotify O-EASTを喜びで満たした。
冒頭からメンバー間での相乗効果が見られたが、特に直(gt.)と夕霧のコンビは凄かった。
ボーカリストがステージ中央に腰掛けると、その後を追う様に直も彼の横に座った。彼等の仲良さげな様子に会場中の視線が注がれた。続いて披露されたのも人気曲『decade』で、会場のボルテージが更に上昇した。風弥のドラムが他のパートを食い気味になりながら反響していた。
新型コロナウィルス感染防止の為観客がコールアンドレスポンス等に参加出来ないのは非常に残念だった。
だが、まゆと直がファン達に代わって夕霧にハモってくれたお陰で楽しめた。
2人のテンションは上がり続け、ギターソロで最も盛り上がる部分では多くの偉大なミュージシャンの様に背中合わせになり弾いていた。
間違えなくDaizyStripperは大変な1日が始まる前に聞くバンドにうってつけだ。前向きさとその時々を楽しみたいと言う気持ちが曲に込められていた。
アドレナリンの大量分泌を経て一息吐く間、夕霧は簡単に今年開催予定の彼等のライブツアー日程を告知した。
NIPPONGAKU記者と考えていた事が重なったのか、観客が一緒になって歌えないのは残念だと言う。
今からみんなで叫ぼうと彼が冗談を言うと、みんな笑い始めた。
呼吸を整えた後、我々へのサプライズとして彼等が披露したのは当時未発表だった新曲『HATSUYUME』だった。
このバラードの曲中、ステージ上は暗くなり、我々に見えたのは紫がかった薄い照明に微かに照らされた夕霧だけだった。
サビの間、夕霧の声に込められた情熱に客席中が心打たれていた。
曲を観客皆静かに聴き入っていた。
曲が進行して行くと共にステージ上が明るく照らされて行き、その様子はまるでDaizyStripperが今まで誰にも見せた事の無い一面を見せてくれている様だった。
終わりに夕霧が「Thanks」と締め括り、客席からは鳴り止まない拍手が贈られた。
続いて演奏された曲はイベント主催者の堀田氏に向けたものだった。
『HELLO, again』のイントロでReiのベースの音色と夕霧の歌声は見事に調和し、そこに2人のギタリストも加わって猛暑日の暑さを忘れさせてくれた。
DaizyStripperを照らすSpotify O-EASTのオレンジがかった照明はまるで夏の夕暮れの様で、何故か遠い昔の思い出を呼び覚まさせた。
『AGAIN』が今回のショーのクライマックスであった事を疑う由は無い。
夕霧がマイクスタンドをまるで剣先を向けるかの様に乱暴に皆に向けた。
Reiとまゆがファン達を更に盛り上げる為にステージの淵に近付いた。
しかし、ここでの主役は直だった。ステージのあちらこちらへとパワフルに動いていた。更にはギターソロ中膝を突き、最後は衣装をはだけさせた!DaizyStripper全員が有頂天に達していた。
その日最後の曲は『碧』だった。
『AGAIN』での盛り上がりのお陰でDaizyStripperとファン達の間には固い絆が生まれていた。
夕霧も曲中に膝を突きつつ客席に向けて歌っていた。
曲が終わる直前、夕霧とまゆは拳と拳をぶつけ合い、「やったな」と言わんばかりにお互いを称え合っていた。
しかし、風弥はまだ体力が余っている様で、最後に立ち上がる前に全て出し切る為に猛烈なドラムパフォーマンスを披露した。
ショーの始まりと同じように、DaizyStripperの面々はファン達からの拍手に包まれながら笑顔で去って行った。DaizyStripperについてもっと知りたい?8月2日に記念すべき9枚目のアルバムのリリースと共に全国ツアーが始まるので…是非ライブに足を運んで欲しい!
-LINK
DaizyStripper website / DaizyStripper YouTube / DaizyStripper Twitter / DaizyStripper Instagram
Yugiri Twitter / Yugiri Instagram
Nao Twitter / Nao Instagram
Mayu Twitter / Mayu Instagram
Rei Twitter/ Rei Instagram
Kazami Twitter / Kazami Instagram
もっとDaizyStripperについて知りたいですか?
来週彼等とのインタビューを予定しています。
コメント欄で彼等への質問を受け付けているので、是非!
Develop One’s Faculties. fiveStars 10th ANNIVERSARY LIVE. 『A LIVE』@名古屋DIAMOND HALL【ライブレポート】