今回我々が取材の機会に恵まれたのはヤミテラとNICOLASによるツーマンライブツアー「ヤミトオニ」の記念すべき第一回公演だ。
両バンドは非常に多くの共通点を持っている。まず興味を惹くのは、二バンド共現在の形態に至るまで様々な過程を経て来ているという部分である。それだけでなく、ヴァージュやグラビティといった他の国内ビジュアル系アーティストとのコラボツアーを頻繁に行なっているという点も共通している。
国内外で非常に人気の高い、日本伝統文化から強い影響を受けたスタイルを確立している一方、歌詞やMVの世界観から見られる様に、現代におけるメンヘラカルチャーの影響も色濃く感じられる。まずはヤミテラ(以前は反逆の83、外道反逆者ヤミテラとして知られていた)について紹介させて頂きたい。音楽性だけでなくバンドのコンセプト、つまり音源のジャケットから衣装に至るまで非常に色濃く日本の伝統文化の影響を受けたロックバンドである。
一方、NICOLASは現代ビジュアル系シーンの王道であるロックとメタルを融合させたスタイルを持つ。
ゴシップ(2015年に元の大日本鬼端児組 悪童会に占拠され Gossipから改名)解散後、メンバー達は彼らのキャリアにおける更なるレベルアップを目指し2018年に“NICOLAS”として再出発を果たした。
もし彼らのバンド名であるNICOLASに何か付け足せるとすれば、まず候補に挙がって来るのは“PSYCHO”であろう。なので、心理学や人間の感情の動きに興味のある人ならすぐに彼らの虜となるに違い無い。もし今この記事を読んでいるあなたがゴシップのファンなら、是非最後まで目を通して頂きたい。今回のライブでバンドからの嬉しいサプライズがあるからだ!
ツアーについての話に戻ろう。本ツアーは大阪と東京二都市での開催となっている。ツアー開幕の地に選ばれたのは大阪、心斎橋VARONだ。NIPPONGAKUがこの会場を訪れたのは今回が初めてでは無い。
以前投稿した梟のライブレポートからも見られる様に、大阪において演者とファンの間に一体感がある雰囲気の会場を探すならここ以上の場所はそう多く無い。
一方で、東京のライブ会場に選ばれた目黒鹿鳴館もNICOLASのメンバーらにとって特別な想い入れがある地に違い無い。何故なら数年前に彼らがデビューライブを敢行した時の会場となった場所だからだ。午後五時半、ドアがきしみつつ開く音がVARONを包み込んでいた静寂を裂き、バンドが配置に就いている間流れていたSEに合わせ会場中が手を挙げてイベントの開始を歓迎している様だった。
今回のツーマンのトップバッターを勤めるにあたりヤミテラがセットリストの一曲目に選んだのは、多くのファンにとってのお気に入りであろう「くだらね世界」だった。
曲が始まって間も無く、既に飛び跳ねて手を叩きバンドと一体となっていたファンのボルテージが湊叶のベースプレーで更に増した。ステージ中央でファンからのエネルギーを受け取り、RiNaもそれに応えてラップをしつつフィットネストレーナーの様なパフォーマンスをしていた。更に我々に向けて“Are you ready?”と尋ねると、オーディエンスは今日は汗でビチョビチョになるまで振りを踊る事になると確信していた。(笑)
続いて演奏されたのは「PARADOX」だ。ヘッドバンキングの時間だ!
照明が激しく点滅するなか、ヤミテラメンバー全員がファンと一緒になり頭を振っていた。その様子を会場後ろから見ていた我々には全てがスローモーションの様に感じられた。
今回のヤミトオニツアーでは彼らの三枚目となるミニアルバム「ハイテイラオユエ」に収録されている「ケミカルダンス」などの楽曲も披露された。
この日は大阪公演二日目だったのだが、初日より更に暑い日となった。
それでも、MCの間RiNaはもっと暑くなろう、心斎橋VARONをサウナに変えてやろうと煽り、客席からの笑いを誘っていた。
RiNaのMCは非常にフレンドリーで、居心地の良い空気を作っていた。
演奏中の鬼気迫る様子と打って変わり、彼のこの様な一面も垣間見えた事は興味深かった。
RiNaは、再びフィットネストレーナーの様に「さらばロック」の振り付けを皆に教え始めた。
それに応える様に、教わったばかりの振りを曲中力一杯踊っていた。
サビ中の歌詞に倣った順番で振りが構成されていた。振り付けの最後は、ロケットが打ち上げられる様子を真似たようなポピュラーなポーズ“ダブ” だ。恐らくファンたちが振りを全て覚えれた事への労いの意味があるのだろう。(笑)
「BA.KU.TI」でテンポはどんどん上がっていき、ShuKaがコーラスでRiNaを助けた程だった。
J ‘ω’2のドラムがまるで鼓笛隊の太鼓の様に響いていた!
曲中、ビジュアル系のライブで必ずと言って良い程見られる光景も見られた。ファンたちがバンドロゴの入ったタオルを取り出し、振りを踊る間に振り回し始めたのだ。
激しい盛り上がりの後小休止を挟む間、RiNaがヤミテラのバンドとしての歴史とこれからの展望について語り始めた。
常に質の高いショーを行う為、デビュー当時の体力を維持し、ライブ毎に更に成長出来る様に弛まぬ努力を惜しまずに続けていると言う。
そしてファンの日頃からの応援への感謝をし、彼らヤミテラがしている様に、運命を変える為に戦い続けて人生の目標を達成出来る様に一緒に頑張ろうと励ました。聞いたばかりのスピーチとリンクするように、「不完全リミッター」が感傷的な場面の始まりを告げる。
歌詞は前向きなもので、それに加えて蘭樹のギター(夏の到来を思わせるメロディー)も相まって会場中がまるで息を吹き返した様だった。
この日心斎橋VARONにいた全ての人が一つになったと感じられた瞬間であった。
夏の到来に倣い、RiNaが「火花」イントロの琴の音色と共に扇子を取り出した。
曲のリズムはまるで夏祭りの一幕を連想させる様で、ファン達も一緒になりバンド公式グッズの扇子を取り出した。この曲のピークはRiNaに紹介された後のShuKaのギター演奏だった。
ライブのクライマックスを越えた様に思ったのも束の間、誰も次の曲が「反逆行進曲」だとは思わなかったであろう。
ここに来て客席は更に熱狂に包まれ、リズムに合わせて激しく頭を振り始めた。
ステージ上ではヤミテラメンバー全員が次々と立ち位置を変えていた。そんな中でも最もファン達の目を惹いていたのは、演奏中に踊る圧倒的なカリスマ性を見せ付けていた湊叶だった。
彼らの出番を締め括る為に選ばれたのは「前線敬礼歌」だった。
RiNaが、最後の最後までヘッドバンキングを続けてくれと煽り、彼が会場中を眺めている間もずっと全員が彼の言った通りに頭を振っていた。
ヤミテラの出番を終えるのに重要な役割を買って出たのはJ ‘ω’2だ。メンバー全員が客席に背を向け、続くNICOLASに交代する為ステージを去る前の最後の数音を楽しんでいた。
もっとヤミテラについて知りたいですか?
来週彼等とのインタビューを予定しています。
コメント欄で彼等への質問を受け付けているので、是非!
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