摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】

Matenrou Opera

今回ご紹介するのは…下北沢シャングリラで開催された摩天楼オペラのバレンタインデースペシャルライブだ。

摩天楼オペラは非常に長い活動期間を誇るバンドだ。今年5月4日には大手町三井ホールで結成15周年記念ライブを行った。
彼らの演奏技術は新アルバムをリリースする度に向上している。メンバー同士でジャンルに囚われず影響し合っているお陰で彼らの進化は止まらない。2007年、デビュー当時よりメタルからの影響を色濃く受けつつもV系音楽を独自の解釈で昇華させている。
これ以上は説明不要だろう。摩天楼オペラはとても認知度が高い上、国外でのツアーも何度か行った経緯があるからだ。1 1 - 摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】 - NIPPONGAKU2月13日、下北沢シャングリラ周辺では非常に大勢のファン達が雨の中開場時刻を心待ちにしていた…。建物の地下にまで行列が伸びていた程に。
会場に入るとすぐ我々の目に飛び込んで来たのは、このバレンタインデーのため特別に選ばれた真っ赤な照明だった。

かの有名なベートーヴェンの”交響曲第九番”が流れる中、摩天楼オペラの面々はイベントの公式Tシャツを身に付けステージに入場して来た。2 1 - 摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】 - NIPPONGAKU全員が定位置に着いたところでのドラムと共に”BURNING SOUL”が始まった。
優介彩雨が各々の楽器をパワーメタル調に掻き鳴らしている中、はステージ中央からまるでオーケストラの指揮者の様に客席に視線を向けていた。ファン達とメンバー達は”Carry on!”の掛け声に合わせて腕を振っていた。ライブの冒頭から圧巻の光景だった。

壮大なギターリフが、次の曲は”Warrior”である事を告げていた。
ここでバンドは更にメタル調のアレンジで我々を圧倒した。
スポットライトに照らされた耀のベースラインに客席は更に沸いた。その直後、のドラムの盛り上がりに合わせて照明が点灯し始めた。
その様子はまるで画集の中の一コマを切り取ったかの様に美しかった。
メンバー達は”下北沢ありがとう!”と叫んだ。それから続けて去年、まだ始まったばかりだった今年も応援してくれた事への感謝の気持ちを伝えた。

 “Sacrifice”が始まった。
遂にの特徴的なビブラートを聞く事ができた。彩雨はまるでギターを弾く様な姿勢でキーボードを弾いていた。
その一方でファン達は曲に身を任せヘッドバンキングしていた。
この曲は摩天楼オペラにとって名刺になり得る曲かも知れない。なぜなら各メンバーの見せ場が曲中設けられているからだ。
曲の終わりにはファン達とバンドが一緒になって手で角の形を作っていた。

刺々しい演奏と共に“INDEPENDENT”で雰囲気がガラッと変わり、更に純粋なメタルに近付いた。バンドの荒々しい一面が姿を見せた。
会場奥から我々が目にしたのは、ギターソロというフィナーレに到達するまで必死に今までに無い程激しいリズムに着いて行こうとするファン達だった。3 - 摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】 - NIPPONGAKUが汗ばみ始めた、曲の激しさが伺い知れる。

 “RUSH!”の時が来た。前の曲が盛り上がりの最高潮と思っていたのなら、それは間違えだ。摩天楼オペラは、このパンデミックの時期においても観客がもっとライブに参加出来る様に工夫した。
曲中ほとんどの間、を含むステージ上全員がマイクを取りコーラスで参加した。そしてファン達は声を発する事が禁じられていたので手拍子しつつ飛び跳ねていた。

 “蜘蛛の糸”が始まると共に再び照明が赤く染まった。今度も息を吐く間も無く曲が進行して行く。
曲の中盤の優介のギターソロの直前、ステージに注意を向けるためか客席側に照明が降り注ぎ我々の目を眩ませた。ここに来てメタルの真髄を見せ付けられた。

続くのは”Adult Children”だ。曲中、あまりのテンポの速さに肉眼では彼らの手元の動きを追えない程だった!
ここでも優介はギターソロを披露し、ファン達はそれに応える様に彼に向けて腕を広げていた。
摩天楼オペラにサポートギタリストとして加入してから一年強しか経っていないのに、彼がどれ程ファン達に受け入れられているのか目の当たりにした。は”Thank you!”と言い残しステージを後にした。

残りの摩天楼オペラメンバーはステージに残った。何故なら続くのはインスト曲”SYMPOSISION”だったからだ。
お互い競い合う様に掛け合いをするため全員がステージ中央に集まった。
ージ中央で演奏し、互いに対決しました。この曲でファンたちはメロディーに沿って手をたたき、摩天楼オペラの声となりました。4 - 摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】 - NIPPONGAKUをステージに呼び戻すために”Eternal Symphony”のイントロで再びバンド演奏が一つになった。
おそらくこのバレンタインデーライブで演奏された摩天楼オペラの楽曲の中で一番海外での知名度が高いものだろう。
の低音ボイスが我々を再び古き良きV系の世界へと引き戻した。全員が酔いしれている様に曲に合わせて自由に動いていた…。
その光景はまるで欧米でのライブの一幕の様だった!
までもステージ中央で彩雨のキーボードの音色に合わせて力一杯に回転していた。

全員にとって朗報だったのが、次も懐かしの曲”GLORIA”が演奏された事だ。
この曲もとても良く知られている。 ファン達がサイリウムを取り出すと、会場は青と白の光で埋め尽くされた。
この日のライブでは初めて、観客達が振りを踊り始めた。
はパフォーマンスがあまりにも楽しかったのかマイクを通さずに歌い始めた。5 1 - 摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】 - NIPPONGAKU先程と同じ様にまたオーケストラの指揮者の如く振る舞っていた!
少しの間ではあるが、呼吸を整え水分補給する為の小休止が設けられた。
客席に向けて楽しんでいるかと尋ね、彼らから発せられる途方も無いエネルギーを褒め称えた。
一方で彩雨はパンデミックにより現在我々がおかれている状況に対する苦い感情を明かした。
は色々話したいとは思っているが、昔の曲を演奏するのが楽し過ぎてそれどころでないと言う。
ここからはバレンタインデーらしくロマンチックな曲が続くと予告された。

“Beyond The Sorrow”でのの歌声には全員感動させられていた。更に低音になった彼の歌声で会場はロマンチックな、色っぽい空気に満たされて行った。

何の前触れも無く、より激しいが同じく切ない”終わらぬ涙の海で”も前の曲とリンクするかの様に演奏された。曲名“終わらぬ涙の海で”に沿う様に会場が海の様に真っ青に染められた。
再び優介の間で掛け合いが始まった。ファン達はそれにつられる様にまたサイリウムを取り出しは思わずエアギターをし始めた。6 1 - 摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】 - NIPPONGAKUアンコール前最後の曲は”儚く消える愛の讃歌”だった。彩雨が曲中あまりにも輝いていたので、も彼に拍手を贈っていた。
曲が終わると摩天楼オペラメンバー達は別れを告げて休憩をとるためにステージを去って行った。
アンコールを求める手拍子が始まるまでの間、客席は興奮に満ちた何とも言えない静寂に包まれていた。

数分後、摩天楼オペラの面々が再登場した。あれだけ激しくパフォーマンスした後だったので今回は上着無しでだが。
彩雨が今日はバンドメンバー達と一緒になってファン達がこの空間を創り上げてくれたと全員を褒め称えた。
ホワイトデーライブなどの今後のライブ日程も併せて告知された。
摩天楼オペラホワイトデーライブは1か月後の3月13日、今回と同じく下北沢シャングリラで行われた。
続いて、2020年に脱退したギタリストJaYの後任で加入したサポートギタリスト優介を正式に紹介し、客席からは彼を歓迎する様に拍手が贈られた。

実はステージ上至る所にカメラが仕込まれていると明かす。一つはの近く、一つは耀の左側と言う様に。
はなぜ彼の頭上から撮影するカメラが無いのかと尋ねて客席の笑いを誘っていた。
カメラの話の後、昨年のクリスマスライブの話を聞かせてくれ、再びパフォーマンスに戻るため遂に各々楽器を手にした。

まるでサプライズの様に、摩天楼オペラを特徴付けるシンフォニックなサウンドにアレンジされたX JAPANの”紅”が披露された!
の歌声はToshi(X JAPAN)のそれと全く遜色無い程に曲にマッチしていた。もしToshiの休暇中に代役が必要なら…もう誰がそれに相応しいか分かるはずだ(笑)。

アンコールは”Psychic Paradise”で続き、その曲調からか会場中はヘッドバンキングをするファンで埋め尽くされた。

間髪入れず”The World”でバレンタインデーライブは幕引きとなった。
最後に演奏されたこの曲を引っ張っていたのはだ。お祭りの様に愉快で、それでいて落ち着いたビートは会場中が笑顔でこの日のショーを終えるのにうってつけだった。最後にファン達はサイリウムを取り出した。

はまるで絶頂に達したかの様にマイクを首からぶら下げて両手を大きく広げ、客席に心からの感謝を伝えた。
観客達は拍手と共に摩天楼オペラを送り出し、愉快なBGMが流れる中彼らは去って行った。
この日ライブに参戦した人は間違いなく再びこの甘い気持ちを感じるためにコインの裏側、ホワイトデーライブに参加したくなったに違いない。

↓我々が決行した摩天楼オペラへのインタビューもお見逃しなく!↓

摩天楼オペラ「15th Anniversary」のインタビュー!

FKq5 Y5acAgdykl 1 - 摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】 - NIPPONGAKU
「15th Anniversary Live」

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SETLIST - 摩天楼オペラ『VALENTINE DAY LIVE 2022』【ライブレポート】 - NIPPONGAKU

(翻訳:桜)

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