【Live report】Marilyn Manson「One Assassination Under God Tour」(セビリア/Icónica Santalucía Sevilla Fest)
2026年7月6日、Marilyn MansonがIcónica Santalucía Sevilla Festの一環として、セビリアのプラサ・デ・エスパーニャ(Plaza de España)に登場した。ライブ本編に入る前に、まずはこの会場について触れておきたい。Icónicaは、セビリアを象徴するこの場所を、大規模なライブが行われる特別な空間として定着させてきた。しかし、明るく華やかなアーティストがここでステージに立つのと、十字架、影、赤い照明の中からMarilyn Mansonが現れるのとでは、まったく意味が違う。
プラサ・デ・エスパーニャは、壮大な建築と観光名所としての美しいイメージを持つ場所だ。その空間とマンソンの世界観の間には、最初からはっきりとしたコントラストがあった。そして、その違和感がこの夜にはむしろ力になっていた。過剰な装飾を加えなくても、十分に強い絵になる。会場そのものが、すでに大きな視覚的存在感を持っていた。
マンソンの登場前には、VOWWSがオープニングアクトを務めた。ダークでエレクトロニックな彼らのサウンドは、Marilyn Mansonのライブへ向かう自然な前奏のように機能していた。数分後にプラサ・デ・エスパーニャを支配することになる空気を壊すことなく、会場を少しずつその方向へ近づけていった。

開演の数分前、場内にはBauhausのBela Lugosi’s Deadが流れ始めた。マンソンのファンにとって、この選曲は決して聞き流せるものではなかった。ただ待ち時間を埋めるための曲ではなく、この夜の空気にぴったりとはまる引用だった。
場内BGMが終わると、フロアのあちこちでスマートフォンが一斉に上がり始めた。
マンソンのイントロ音源が流れ始め、ステージ上の十字架が淡い青色に灯る。その光は、ステージ全体に冷たい印象を与えていた。暑さの残るセビリアの夜に、その最初の照明の変化だけで、バンドが姿を見せる前から空気はすでに変わっていた。

22時30分ちょうど、ライブが幕を開けた。
1曲目はNod If You Understand。ギターリフが鳴った瞬間、歓声が上がり、マンソンを少しでも近くで見ようと多くの観客が自然に前方へ流れ込んでいった。十字架は赤に変わり、ステージの緊張感が一気に高まる。マンソンは今回のツアー衣装で登場し、過剰に動かずとも視線を奪う、あの制御された演劇性をまとっていた。
最新アルバムの楽曲ではあるが、序盤に置かれた新曲という義務感はなかった。特徴的なベース、緊張感の作り方、そしてマンソン自身の存在感によって、セットリスト全体の中に自然に溶け込んでいた。
現在のマンソンでありながら、過去のどこかの時期にもつながっているような質感がある。冒頭からはっきりしていたのは、マンソンには今もなお、一聴してわかる音があるということだった。代表曲に直接頼らなくても、その輪郭は失われていない。
続くDisposable Teensで、セビリアは完全にライブの中へ入っていった。サビは力強く歌われ、曲が終わると、この夜最初の大きな歓声が会場を包んだ。マンソンは観客に向かって“I fucking love you”(愛しているぞ)と叫び、スペインに戻ってこられたことを喜んだ。長いMCではなかったが、すでにライブへ入り込んでいた会場をさらに盛り上げるには十分だった。

周囲の景色とのコントラストも、依然として強烈だった。赤い光と逆さ十字の中で、プラサ・デ・エスパーニャの中心にDisposable Teensが鳴る。その光景には、奇妙さと魅力が同時にあった。この夜にしかない光景が、少しずつ形になっていった。
その後、マンソンは“Seville”(セビリア)と叫び、“from 1996”(1996年からのものだ)と告げた。
その言葉とともに始まったのが、Angel With the Scabbed Wingsだった。コードが鳴った瞬間、観客はよりクラシックで暗いMarilyn Mansonの領域へと引き込まれていく。音はクリアで輪郭がはっきりしており、昔のライブ映像を何年も見ながら、いつか目の前で体験できたらと想像していたような感覚があった。セビリアで、というだけではない。スペインでマンソンを見られること自体が、すでにどこか現実離れしていた。
サビの前には、観客の手拍子がインストゥルメンタルに混ざり、まるで曲の一部のように聞こえた。ただの伴奏ではなかった。観客自身が曲の中に入り込み、バンドもその反応がしっかり響く余白を残しながら、楽曲の力を失わせなかった。

Great Big White Worldでは、夜の流れが少し変わった。マンソンが観客に腕を動かすよう促すと、会場全体がそれに応えた。照明はより明るいトーンへ移り、序盤の激しさの後に少し息をつける空気が生まれた。ギターソロは会場の熱を一度落ち着かせ、すでに作られていた緊張感を壊すことなく、より空気感のある時間を作っていた。
その穏やかさは長く続かなかった。“Are you motherfuckers ready?”(準備はできているか?)という声が、This Is the New Shitへの合図になった。多くの観客にとって、この曲はとても具体的な時代と結びついている。2000年代にマンソンを知った人たちにとっては、ほとんど個人的なアンセムのような曲だ。十字架が赤く染まり、アンチクライストのイメージが再びステージ中央を占めた。
最初のうち、観客の一部は一気に解放されるというより、呆然と見つめているようにも見えた。彼の中でも特に動きやすく、有名な曲であるにもかかわらず、セビリアでMarilyn Mansonを見ているという事実を、まだ飲み込もうとしている人たちがいたのかもしれない。しかしサビに入った瞬間、すべてが変わった。プラサ・デ・エスパーニャは歌詞を全力で叫び始め、時にはマンソン本人の声より観客の声の方が大きく聞こえるほどだった。曲の最後には、マンソンがギタリストの方へ近づき、リフの最後の一撃を強調するように締めくくる。その直後、再び大きな拍手と歓声が起こった。

Exit Woundでは、照明が再び重要な役割を果たした。光は曲のリズムとは逆方向に落ちていくように見え、何度も十字架だけが浮かび上がった。マンソンとバンドはほとんどシルエットのようになり、音楽と照明がその場を支配していた。終盤になるとステージはより強く照らされ、曲は一気に直接的な爆発へ向かっていった。
そして、この夜でも特に印象的な瞬間が訪れた。
マンソンは再び観客に向かって声を上げた。
“Seville!”(セビリア!)
“Seville, I can’t hear you!!!”(セビリア、聞こえないぞ!)
彼は、初めて自分を壊そうとされた時、この曲は自分のために、そして僕たちのために書かれたものだと説明した。それがThe Nobodiesだった。
この曲には、他の楽曲とは違う感情の重さがあった。最も激しい曲でも、最も爆発的な曲でもなかったが、観客とのつながりはこの夜の中でも特に強かった。曲が終わった時の拍手と歓声は、それまでで最も長かった。

The Nobodiesの後、マンソンはステージから姿を消し、バンドはDiary of a Dope Fiendを続けた。この曲は、次の変化へ向かうためのトランジションとして機能していた。空白の時間ではなかった。むしろ、観客が彼の再登場を待つ間、暗い空気を保ち続けていた。
次の曲に入る前、マンソンは英語で、今夜“high”(ハイになる、酔う、ドラッグで高揚する)になりたい人がどれくらいいるのかと問いかけた。そして良いニュースは、今夜は自分自身が僕たちのドラッグだということだ、と締めくくった。照明が落ち、曲が始まった。

The Dope Showには、この曲をずっと定義してきた退廃的なエレガンスがあった。マンソンは大きく動き回る必要がなかった。ジャケット、態度、歌い方だけで、その場面を成立させていた。この曲には、ライブの中でも独立した一つの空間があった。
続いて始まったのはSweet Dreams (Are Made of This)。Eurythmicsのカバーであるこの曲は、今ではMarilyn Mansonの歴史から切り離せない存在になっている。メタルファンの中には、原曲以上にマンソンのバージョンを象徴的なものとして受け止めている人も少なくない。ステージは再び青いトーンに戻り、最初のフレーズはプラサ・デ・エスパーニャ全体によって力強く歌われた。

その瞬間を記録しようと、多くのスマートフォンが上がった。しかし、その逆も見えた。本当に一つの世代に属している曲が鳴った時、人によってはスマートフォンをしまい、全力で歌うことを選ぶ。その光景は多くを物語っていた。単にセットリストの中の有名曲ではなかった。観客が体験しに来た曲の一つだった。
mOBSCENEでは、マンソンがその時代を象徴する帽子をかぶって登場した。曲に本格的に入る前、彼は観客に冒頭を歌わせた。赤い照明が再び場内を支配し、この曲はこの夜の大きなピークの一つになった。バンド全体もコーラスに加わり、サビをより強く押し上げていた。
プラサ・デ・エスパーニャは凄まじい熱量で応えた。マンソンはそのやり取りを楽しんでいるように見えた。観客に一部の主役を渡しながらも、ステージのコントロールは決して手放さない。このライブが完全に走り出し、もう後戻りできないところまで来ていると強く感じられた瞬間の一つだった。
そして彼は問いかけた。
“Seville, do you want more?”(セビリア、もっと欲しいか?)
歓声はすぐに返ってきた。
“Do you want???”(欲しいか?)
そして、全員が待っていた一言が来た。
“We are THE beautiful people”(俺たちが、THE Beautiful Peopleだ)

mOBSCENEが高く上げたハードルを、The Beautiful Peopleはさらに上へ押し上げた。プレスエリアからでも、曲のリズムと観客の反応で地面が震えているのがわかった。あのリフは、彼のキャリア全体の中でも最も認知度の高いものの一つとして迎えられた。サビはプラサ・デ・エスパーニャ全体で歌われ、マンソンはエアギターのような仕草を見せながら、その瞬間を楽しんでいた。観客に曲の一部を預けているようにも見えた。
曲が終わると、彼はミリタリースタイルの帽子を脱ぎ、バンドが観客を煽り続ける中でステージを去った。叫び声、口笛、拍手がすぐに彼の帰還を求めた。1分も経たないうちに、マンソンは戻ってきた。
最初のアンコールはTourniquet。マンソンは高い松葉杖のようなものに乗って現れた。その姿は、この曲のクラシックな美学と強く結びついていた。ステージより高い位置にいることで、その姿はさらに威圧的に見え、上から見下ろす暗黒の神のようでもあった。この夜の中でも、とりわけ視覚的なインパクトの強い瞬間だった。

Tourniquetが機能したのは、曲と演出が結びついていたからだ。単に名曲を聴く時間ではなかった。その曲が持っていた元々のイメージの一部を、ライブの中で取り戻す時間だった。演劇性はしっかり計算されており、必要以上に大げさにすることもなかった。
2度目のアンコールに向けて、ステージは再び暗くなった。マンソンが戻り、Depeche Modeの有名なカバーであるPersonal Jesusが始まった。長年のファンにとって最も直接的に響く部分はアンコールに残されており、ラストには必要なだけの力があった。
赤い照明がプラサ・デ・エスパーニャを包み込み、最後に非常に強いイメージを残した。十字架、影、クラシックな楽曲、挑発性に満ちた夜の後、Personal Jesusは黒い儀式の最後の場面のようにライブを閉じた。この夜に呼び起こされたすべての罪が、あの場所で、あの瞬間に意味を持ったかのようだった。

Marilyn Mansonはセビリアで、濃密で、よく計算されたライブを見せた。プラサ・デ・エスパーニャという空間で特に強く機能するビジュアルプロダクションも印象的だった。セットリストには近年の楽曲、長年のファンに向けた深い選曲、世代を象徴するアンセム、そしてすでに彼自身のアイデンティティの一部となっているカバー曲が並んだ。長すぎる必要はなかった。この夜は、十分に記憶に残るものだった。
1時間少しの間、プラサ・デ・エスパーニャはセビリアの美しく照らされたモニュメントではなくなっていた。十字架が灯り、赤い光がステージを覆い、その中心にマンソンが立つ。会場は、今回のIcónicaの中でも最も忘れがたい光景の一つへと変わっていた。
📸: @mauribuhigas.foto @niccolo_guasti_photo
Setlist
Marilyn Manson
One Assassination Under God Tour
Icónica Santalucía Sevilla Fest
Plaza de España, Seville, Spain
- Nod If You Understand
- Disposable Teens
- Angel With the Scabbed Wings
- Great Big White World
- This Is the New Shit
- Dried Up, Tied and Dead to the World
- Exit Wound
- The Nobodies
- Diary of a Dope Fiend
- The Dope Show
- Sweet Dreams (Are Made of This)
Eurythmics cover - mOBSCENE
- The Beautiful People
Encore
- Tourniquet
Second Encore
- Personal Jesus
Depeche Mode cover
